トラウマと人とのつながり

  あなたは今、人とのつながりに心地よさを感じられていますか。
 人とのつながりを『今、この時』はもちたくないというときは、誰しもあると思います。一人でリラックスしたいときもあれば、一人で何かを楽しみたいときがあるでしょう。そして、人には一人でいられる力も必要です。今は一人がいい、でも、別の日には誰かとつながりをもちたいと、その時々で選べることができるとしなやかな生活が送れそうです。

人間関係にトラウマがあると

 気にかかるのは、人とのつながりをもちたくないという場合です。もしかしたら、仲間からひどいいじめを受けたことがあるからかもしれません。もしかしたら、愛する人に虐げられたことがあるからかもしれません。人から傷つけられた経験がある人の中には、好んで一人を選んでいるのではなく、人を求めたくても強い不安や恐怖から求められない人たちがいるように思います。本当は人と仲良くしたいのに、逆に人を傷つけてしまったり、自分を不当に扱う人とばかり関りをもってしまうことはないでしょうか。こうなってしまうと、癒えていない傷をさらに深めてしまう悪循環に陥ってしまいます。

安心・安全感を大切に

 どのような理由があるにせよ、傷ついた状態であるがゆえに人とのつながりが阻まれているときは、まず安全に、そして心地よく過ごせるよう環境を整えてみませんか。周りを見渡してみて、自分をおびやかすような危険はないか、いつもいつも確かめます。気が向いたら、自分にとってのリソースに触れてみましょう。リソースとは、自分の好きなもの、自分を支えてくれるもの、自分が心地よいと思うものをさします。好きな食べ物、音楽や本、楽しかった思い出などなんでもいいのです。自然がある場所に行ってみるのもいいですね。リソースに触れたとき、どんな感じがするでしょう。ホッとしていますか、身体はリラックスしていますか。そんな問いかけを自分にしながら過ごしてみましょう。