心が傷ついたときの影響~トラウマ反応について

 心が傷ついてしまうと、私たちの心や身体はさまざまな影響を受けます。フラッシュバックや悪夢をみる、眠れないといった状態は、代表的な症状で自分でも自覚しやすいかもしれません。これらはトラウマ反応といって、その出来事があまりにも大きく、あまりにも速く起こったために、その場では対処できず、その人を凌駕してしまったことで起こる心身の反応です。トラウマ反応は他にもこのようなかたちで現れることがあります。

自分を責めてしまう

 自分を責める、恥の感情が強くなる、自信がもてなくなる、これもトラウマ反応です。「こんなことが起きたのは、自分が悪いからだ」、「前のように仕事ができない、役に立たない人間だ」、「こんなことくらいで眠れなくなるなんて、自分が弱いからだ」、「いつの間にか時間が経っていて何もしていない、怠けてばかり」というような考えが浮かんでしまう状態です。自分でもどうしてこうなってしまったのかわからなくなり、気がつくといつも自分で自分を責め続けてしまう状態は、トラウマ反応かもしれません。起こったことがおかしいのであって、あなたが悪いのではないことを知りましょう。

周りの人も理解してくれない

 さらに、周りの人の理解が得られなければ、自責的な行為はより強化されてしまいます。『もう忘れた方がいいよ』、『前はこんなに怒りっぽくなかったのに』、『こんなに元気そうなのだから、被害の影響なんてないんじゃないの?』、『被害にあったのに、露出の多い服を着るなんて』など…。このような声が周囲から本人に届いてしまうと、二次被害となってしまいます。自分でも自分の状態がわからない上に、周囲の理解が得られないことは、被害にあった本人はさらに深く傷つき、状態をより悪化させてしまいます。繰り返しますが、このような状態になったのは、あなたのせいではありません。

 今のつらい状態がトラウマ反応であること、自分のせいではないということを知るだけでも、少しは楽になれることがあります。そして、自分の状態を知ることは、再トラウマに陥ることを防ぐ効果もあるでしょう。ただ、トラウマによる影響は、自分で気がつくことが難しく、自分でも説明しにくい場合があります。そのようなときは、どうぞお一人で抱え込まずに当ルームへご相談ください。